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独りごち

六月に冷麺

 

近くのお寺の金の音で今日はもう終わりかなと、空を見る。

すぐ近くの公園へ行こうか。夕暮れがまだ今は明るくて冬の記憶を背負ったままでは、夕餉がどんどん遅くなってしまう。

冬の夜長は本を読んだり、画集を見たり街に雪は降らないけれど、そんな風にこもっているのが楽しい。今年はCOVIT-19のせいで春の間も目は冷めても巣穴から出てこないようにと暮らし、一年の半分6つの月も経ってしまった。

その間に何回あの子達と遊んだだろうか。

最近二匹ともよく寝るようになった。

静かな世界でも一度電源を入れれば、世の中は騒然としている。

そして、あの静けさの時にだけ朝やってきていた鳥はどこかへ飛び立っていった。

大きく膨らむ風神の袋と、些細なことが同じ身体を抜けていくような感じがした。

ただ、暮らす。

 

今まで何に追われていたのか。

自分がさってゆく時間を追いかける妄想の中にいただけなのだ。

音楽を長らく聞かなくなっている。画像なしの音。

 

作品の資料などを整理しているよりは、無駄話を打っていた方が楽しいのだ。

凡庸を続けて少し休憩。

夕餉は暖かい麺にしよう。

 

 

 

 

溢れる人の中で揺れる丁髷、ふぇんでぃ。

 

口争う旅行者二人

どの列車に乗ってもいいじゃないかと、券売機は言う。

ベーグルの福袋か化粧品の福袋か

混じり合った匂いが手の甲に絡みつく

 

今年の大根はもう済ませた。

いや大根はまだお前の帰りを待っている。

終わりのない大根の桂剥き

ハスッパな蓮根みたいに糸を引かない。

大坂の環状線だからさ

 

星が煌めく町がはやく帰れと言った

本当だ昨日から空が透き通って

神社のリカーに梅が浮いている。

 

肺に空気を入れないと

ヤニ黒のこの肺に

泣く母と田舎に向かう列車に乗った鶴橋駅を通り過ぎ

口争う旅行者は女性専用車に乗り込み

ふぇんでぃは車掌になっている

 

大滝のところまで

リカーと梅を運びに行かなきゃ

星明かりを頼りに列車は南へ走り続けた

 

 

 

2020.01,02